お客様の声

有限会社 クヮルテット・ハウス・ジャパン

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業務内容:音楽関連の企画、制作、販売
所在地:埼玉県所沢市下富1303-14
お話:代表 大谷 幸男 様
現在までの歩みをお聞かせ下さい。
  30年間レコード販売の㈱新星堂でクラシック音楽を専門にやってきました。しかし、最近の、売れるものをより多く売るという効率化の原則により、量販商品ではないクラシック音楽部門はどんどん縮小されていきました。このまま在籍していても自分のやるべき仕事をやれず後悔するのではと考え、2001年の第1 回目希望退職制度を機会に退職。同年9月に㈲クヮルテット・ハウス・ジャパンを設立しました。
企業経営で大事なものはなんですか。
  音楽業界全体でも、大量生産大量販売の理論に力を注ぐあまり、採算をとりにくい部門であるクラシック音楽は縮小されつつあります。しかし、クラシック音楽は文化的、音楽的に非常に価値のあるものです。私は量を売るための商品ではなく、文化的価値のあるものや、忘れ去られようとしている貴重な音楽的遺産を掘り起こし、これを『文化的香りの高い出し方』で市場に投入していきたいと考えています。
  経営をしていると、能率や効率をどうしても最優先に考えてしまいますが、仕事は、効率化とは無縁でなければいけないと思っています。もちろん、“作業”をするのに能率や効率を考えることは重要です。しかし、事業活動そのものにも効率を求めてしまうと、文化的、経験的尺度が失われるばかりでなく、内容が非常に軽薄になってしまうのです。これでは、決して良いものは創れないと思うのです。
  今年の4月にパブロ・カザルスという有名なチェロ奏者のCDの輸入販売を開始しました。このCD2枚に収められた録音のうちの1曲は、その録音テープが、最近になってドイツのボン市にあるベートーヴェンの生家で偶然発見されたもので、一般販売としては世界で初登場なんです。販売にあたり、日本語訳解説をつけるかどうか非常に悩みました。効率という面からすれば、非常に手間がかりますし、価格面からいっても、日本語訳をつけることによって3,000円が4,000円になってしまうんですね。それならば3,000円のほうが多く売れるという意見も多数ありました。しかし、私にとっては量を売ることが最重要なのではなく、当時どのような背景のもとで演奏され、信じられないほどの偶然性の中で、数十年後聴き手のみなさんの手に届いた歴史を感じてもらい、その価値をわかってもらうことが大切だったんです。またそうすることに、私が新星堂を退職し、会社を設立してまでこの仕事をやっていこうと思った意味があるんですね。
  価値のあるものは、どんなに効率が悪くても、時間がかかったとしても必ず売れると信じています。メジャーなメーカーや販売店が忘れかけた、多くは売れないもの、でも本当に価値のあるものを文化的視野をもって、顧客に提供していきたいと思います。
これからの展開についてお聞かせ下さい。
  クヮルテット・ハウス・ジャパンの初めてのCD企画制作の仕事が、今回のカザルスのCDであったことを非常に光栄なことだと思っています。
  私の最大の強みである、30年間に培ったクラシック音楽の知識と体系をもって、いままでにない新たなクラシック音楽の商品を発掘し、他には真似のできないCDの企画・制作・販売をこれからも積極的に手がけていきたいと思っています。
書面添付の申告書についてどう思われますか。
  今回初めて、決算で書面添付の申告書を提出しました。運転免許を取ろうとしたときに教習所に通えば実地試験が免除されるように、信頼のおける会計事務所におまかせしていれば、税務調査も免除されるということですね(笑)
インタビューを終えて
   現在のお仕事は、以前からの個人的なつながりによるところも多いのだそうです。大谷社長のお人柄と仕事に対する純粋な姿勢が、周囲の大きな信頼を得ている要因なのだと今回のインタビュ-を通じて感じました。私も人との出会いをこれまで以上に大切にしていこうと思います。大谷社長、有実様、貴重なお話を本当にありがとうございました。貴社の益々のご発展を心よりお祈りいたします。

丹下 優子